前作が、確かにそこにいるはずの敵に怯えて駆け回る主体的謎解きだとすれば、今作は相手の顔がまず見えない脱出ゲームである。
迷路と同じで、出口を探すのに際しその迷路の作り手の意図など最初は考えない。
しかし進むに連れて、むしろ作り手の意図に沿うことこそが出口に近付くための唯一のヒントなのだと、ハッキリ感じざるを得ないのだ。
舞台を同じくしての狂乱劇だが、あまり意識せずに面白く読めた。
強いて言うなら、並行してサイドストーリーを動く刑事の話は無くても成立したような。そっちにもっと大きな仕掛けがあったら、もっと面白かったかなと勝手に思っています。