終末のフール
終末好きのわたしにとって、
この小説はなんと魅力的なタイトルか。
そして開けば、
ハライチ的なアレ。
全体像はあるけど、ひとつの壮大なストーリーに沿って物語が進むわけではない。
ひとつひとつの小さな物語が、水面に落ちる波紋のように、ぶつかりながら大きくなっていく…わけでもない。
微かに端が触れ合うだけで、それぞれが揺らす水面は限定的だ。
それが良い。俯瞰してみているこちらからは、
それが静かで嫋やかで、微笑ましいのだ。
それが終末の世界だから尚更に映える。
できることをやる。
今できることを。
明日が無かろうが関係なく。
あと、どのくらい生きる生き方か?
考えさせられる物語だった。
明日失われてもいい生き方を。