白砂
複雑に絡まりあう登場人物の心情、
謎が覆い隠す秘密は、
ただただ哀しい。
親子という視点を強調しているわけではない、
それなのに考えざるを得ない、
親子、夫婦という繋がりや、
それを、その絆を確かめたくなる、
根源的な欲求。
わたしは帯が煽るように
涙腺崩壊
には至りませんでしたが、
むしろ涙は一滴も出ませんでしたが、
感動、感激する作品というよりは、
哀しさ、切なさに自分の優しい部分をくすぐられるような、人間とはそういうものだと、そう深く哀しまされる作品でした。
人は過ちをおかす。
そして過ちは人を許さない。
許すのは唯一、自分自身である。