何者
大学生の就活を中心に、
人の心の闇と光を描写した作品。
と、勝手に思っている。
友情が語られているかと思いきや、
すごく表面的な友情だったりするところは、
まさに大学生らしい、と感じる。
恋愛が語られているかと思いきや、
それも狭く、細く、表面的であり、
それもまたこの年代特有の、
独特な恋愛観だと、私は思っている。
この個性だらけの登場人物の、
誰に共感し、誰に反抗を抱き、
誰に嫌悪するのかは、
人それぞれ違うのではないだろうか。
サスペンスと言うには謎はなく、
恋愛と言うには恋愛描写もなく、
ホラーと言うほど怖さもない。
強いて言うなら、残念さ、虚しさ。
自分がこの本を第三者として読んでいることそのものに、何かもやっとしたものを感じ、私は違う、と言い聞かせる自分がいるかもしれない。
世界を俯瞰して見るあなたの、頭上と足下。