細かいこと抜きで小説が好きな私へ

私の読んだ本について、思ったことや感想を綴る備忘録です。ネタバレは極力避けますが、万が一の時は悪しからずご了承下さいませ。

ユリゴコロ

現在と過去、過去というかノートに記された内容をなぞって"今"と"あの時"を行き来する。 ノートの内容の真偽もあるが、一体誰が書いたもので、なぜそこにあったかを考えると、徐々にその全貌の輪郭が見えてくるわけだが、これといってややこしいトリックはな…

湖底のまつり

あぁ、そうか、そう言うことか。 あまりこう言う類の罠に嵌められた経験もなく、まんまとハマってしまった。 少し想像力が追いつかないところもある。 ただ、いつハマるのかいつハマるのかと足りないピースを探していて、眼前のピースが裏返っていることに気…

豆の上で眠る

主人公の今と過去を行ったり来たりしながら、少しずつ謎が紐解けていくストーリー…ではない。 謎は全く解けない。 過去に何があったのか?それをひたすらに突き詰めていくような、サスペンスドラマのような作りだと思った。 そして謎は解けず、疑問、疑念が…

時限病棟

前作が、確かにそこにいるはずの敵に怯えて駆け回る主体的謎解きだとすれば、今作は相手の顔がまず見えない脱出ゲームである。 迷路と同じで、出口を探すのに際しその迷路の作り手の意図など最初は考えない。 しかし進むに連れて、むしろ作り手の意図に沿う…

そして誰もいなくなる

どういった趣旨の本かはすぐわかる。 私はアガサクリスティーを知ってはいるが、そして『そして誰もいなくなった』のタイトルも聞いたことはあるが、実際に読んだことはなかった。 推理小説と言えば学生の頃赤川次郎を何冊か読んだ程度で、あとは読んだ小説…

オーダーメイド殺人クラブ

何様ですか?を読み、 この本を手に取る。 自分の死を特別なものにしたい。 自分の死しか、特別になる方法がない。 多々共通点はあるが、 全容は全く異なるものになる。 そのタイトル通り、自らの死を オーダーメイド することになる主人公がいるが、 その傍…

彼女は存在しない

かなり読み返した。 混乱まではいかないが、 頭の整理が追いつかない。 面白いが、面白い割には読後のインパクトがそれほどないのは不思議。 設定的には最近よくあるものなのだが。 トリック的なものはあまりなくて、 話の構成で上手に誤魔化される。 我思う…

僕は君を殺せない

最近よく見る一人称トリックの話。 ひとつひとつの描写は綺麗で丁寧です。 はっきり言って帯が煽りすぎ。(これも定番化しつつあるな…)普通に読めば面白い話。 少し強引な部分もあるが、話の短さを考えれば仕方ないと言うかよくあることかと。 あと、短編集だ…

夜の国のクーパー

おとぎ話のような話。 ガリバー旅行記や、イソップ童話を思い出す。 好き嫌いはあるだろう。 子供に読み聞かせるのも難儀だ。 ただわたしは嫌いではない。 普通の小説に飽きたり疲れたりしたときは、 手にとってみてはどうだろうか。 誰にでも夜の国はある。

終末のフール

終末好きのわたしにとって、 この小説はなんと魅力的なタイトルか。 そして開けば、 ハライチ的なアレ。 全体像はあるけど、ひとつの壮大なストーリーに沿って物語が進むわけではない。 ひとつひとつの小さな物語が、水面に落ちる波紋のように、ぶつかりなが…

その時までサヨナラ

山田さんのホラーが大好きである。 その手のものは備忘録する必要もないので、 あえてホラーじゃない山田作品から。 父と子、そして母の愛、絆の物語。 私的には完全に忘れて帯が煽りすぎで、 感涙必至とかそんな内容ではなかった。 ただ微笑ましく、ジワッ…

ヒトリシズカ

ひとりの女性に嵌らせられる作品。 ミステリアスな構成に引き込まれる。 何と言ってもタイトル通り、 シズカというひとりの女性の魅力。 ラストは切なく、哀しい。 あまり背景というか、 心情を語る部分が少ないので、 多少の狂気感はあるが、 それよりもや…

記憶屋

うーん。良い話。なのだけど。 私は感動できなかった。 学生の頃に読んでいたら、 もう少し違ったかも。 しかしこの小説。続編が二つ三つと出ている。 だからきっと人気が高いのだ。 物語性が強いのかな。 アニメ化とか、できそう。 記憶が残る幸せ、失われ…

爪と目

淡々と、ただ静かに冷静に客観的に、 感情のまるでないような語り口で綴られる、 わたしとあなたの話。 なるほどこれがホラーとは、 読後にはとても納得のいく話だ。 子供は、感情豊かな生き物である。 だから、感情の感じられない子供は、どこか怖い。その…

ドミノ倒し

個人的には好きなテーマ、好きな展開でした。 ラストだけは好みではありませんでしたが… というか物語の収束の仕方ですかね。 収束せずに霧散したような感覚。 日本のどこかにはこんな話が本当に転がっているのではないかと思っています。 ドミノ倒し。 誰か…

グラスホッパー

複数視点の物語が収束していく、 全体のストーリー構成やバランスが良く、 且つ一つ一つの視点がしっかりと、 魅力的に描かれている。 映画は見ていないけど、 評判はやはり割れ模様? ラストの解釈がポイントか。 謎は謎のままが良い時もある。

微笑む人

いわゆる謎解きミステリー、話のつじつまや、 スッキリしたストーリー構成、 そういうものを好む人には、 きっとこの小説は肌に合わないだろう。 現実は小説より奇なりと言うが、 それを小説で書くとこうなる。 と、私は思う。 人は他人のことを正しく理解で…

白砂

複雑に絡まりあう登場人物の心情、 謎が覆い隠す秘密は、 ただただ哀しい。 親子という視点を強調しているわけではない、 それなのに考えざるを得ない、 親子、夫婦という繋がりや、 それを、その絆を確かめたくなる、 根源的な欲求。 わたしは帯が煽るよう…

連続殺人鬼カエル男

どこか惹かれるキャッチーなタイトルと、 帯に騙されたつもりで読みましたが、 なかなかどうして、 良い騙され方をしたようで、 面白い。非常に面白かった。 細かいことは抜きにして。 ただ、描写は苦手な人がいるだろう。 ミステリー好きな人は、トリックに…

あなたが愛した記憶

ミステリー、サスペンス。 そう思って読めれば、面白い。 面白いよ。 描写はキレイで繊細で、 わかりにくくないし、 スピード感が良いのかな。 ネタバレに触らないように感想を書くのが、 難しい作品です…。 終わったものが、また始まる恐怖と、喜び。

彼女がその名を知らない鳥たち

「限りなく不愉快、でもまぎれもない最高傑作」 最近は帯が煽りすぎな作品が多いなか、 この言葉は全く違和感がない。 構成は似たような作品がないわけではないが、 話の進め方、 一気のどんでん返しではなく、 じわじわ気付かされるというか、 認識を改めさ…

すべて真夜中の恋人たち

恋愛とは、少し違うような気が。 人間愛、とも違うし、なんでしょう… 人と人との関わり、うん、人間関係。 そう言った方がしっくりくる。 同性、異性との人間関係が描かれている。 意図的に言いますが、描かれている。 物語はモノクロの文学というよりは、 …

二重生活

誰かを尾行する そう聞けば、躊躇いを覚えるのに、 文学的・哲学的尾行 と銘打ち、 その目的のない尾行を見てしまうと、 これはマズイ。 つい、やってみたくなる。 タカリ屋とかユスリ屋にもし自分がなったら、 やってしまうと思う。文学的・哲学的尾行。 そ…

アズミ・ハルコは行方不明

主人公が誰という視点ではなく、 様々な若者、若しくは若者たち、 という視点が主になる。 年代が近い人は共感しやすいので、 非常に読みやすい作品だと思う。 それぞれの悩み、鬱憤、怒り、戸惑い、… そして逃げ出したくなる気持ち。 誰もが一度は、こうい…

クリーピー

映画の評価は分かれているようですが… 小説は面白く読めましたよ。 確かに少々突っ込みどころはあるかもしれませんが、隣人という近しい他人の怖さというのは、考えさせられるところでしょう。 疑心暗鬼にさせてくれる、登場人物の役割もなかなか。 生活の中…

鈴木ごっこ

すいすい読めて、 あまりサスペンスだと思って読んでいなかったのだが、なるほど面白い構成で、油断していた分すっかり騙されていた。 映画化もされているようで、 今度見てみたいなと思った。 やはり他人のことは、わかったつもりでも 全くわかっていなかっ…

ほろびぬ姫

わたし と あなた と あなた ふたりのあなたを考えながら読む作品。 というよりも、ふたりのあなたに対するわたし を考えながら読む作品だと思う。 無理にわたしを理解しようと思わず、あなたなりのわたしを解釈すれば良いのかもしれないが、私がわたしのこ…

去年の冬、君と別れ

冒頭にネタバレを持ってくる類の作品かな? と思いきや、かなり複雑な構成で、 何度かページを行ったり来たり、 久しぶりに頭を使う作品だった。 一人称の使い方に仕掛けがあり、 気付いた時にはもう遅いと言うわけでもない。 芸術性と狂気がひとつのキーワ…

世界から猫が消えたなら

別に恋愛の話では無い。 もしもボックス的な話なんだけど、それらを通して、日々の当たり前をちょっと立ち止まって考えてみようかと、そういう話だと解釈している。 繰り返すが、恋愛の話ではない。 しかし、愛の話ではある。 何かを犠牲にして得る幸せの意…

ぼくは明日、昨日のきみとデートする

ありそうでなかった話のシチュエーション。 そしてうすうす謎に気付きながらも、 いざ気付いた時には遅かった感が強く、 なるほどまた最初から読み返して、 その意味に涙する。 シンプルに、良い話だった。 過去を振り返る意味、今を大切にする意味。

少女

無垢な少女二人の、 欲望無き願望を通して、 人の生と死が語られている。 死んでほしい人ほど長生きするとか、 殺しても死ななそうな人ほど先に死ぬとか、 そう言うことを考えながら、 少女の無垢さに畏怖を覚える。 友情と言う切り口を背中に残したまま、 …

植物図鑑

わたしはこの作品を見たあと、 ホントに草に…というか葉っぱ系の食べ物に ハマった。 植物図鑑とはよく言ったもので、 この植物を通した恋愛と言う、 一見すると小学生のような、 ピュアな恋愛なのだけど、 料理、それも卓越した雑草?料理により、 一気にオ…

仮面病棟

帯が煽りすぎ? 読みやすくて、一気に読めるのはホント。 ただ最初から違和感がかなりあって、 この手のサスペンスが好きな人だと、 だいたいオチが見えてしまうかも。 ただ、主軸はある程度見当がついても、 細かな細工は丁寧かつ繊細なので、 飽きさせない…

砕け散るところを見せてあげる

物語の構成がとてもうまくできていて、 すっきりと騙されたような感覚。 社会問題も織り込まれていて、 いろいろと重い…心にズシンとくる作品。 ただ、わたしはこう言う作品は嫌いじゃない。 生きる希望や、繋がる想いというのは、 今を生きる人には必要な燃…

何者

大学生の就活を中心に、 人の心の闇と光を描写した作品。 と、勝手に思っている。 友情が語られているかと思いきや、 すごく表面的な友情だったりするところは、 まさに大学生らしい、と感じる。 恋愛が語られているかと思いきや、 それも狭く、細く、表面的…

何様ですか?

カササギに続き、次はブラックどんでん返し。 ブラックだ。確かに、真っ黒。 いろいろと突っ込みどころはある。 ただ、読みやすいし、単純で面白い。 書評にもあるが、好き嫌いというか、 合う合わないがはっきりある気がする。 個人的な感想になるが、 いら…

カササギの計略

ホワイト?なのか? それが最初の読後感想。 タイトルを念頭に置いて読むと、誰が、なにが、どんな計略が張り巡らせているのかと、疑心暗鬼になり、罠にかかるまいと疑いながら読むことになるのだが、わたしはこの本の醍醐味はそこでは無いと思っている。 そ…

夜の果てまで

一言で言ってしまえば、人妻と学生の不倫、 そして駆け落ちの果て。 私が学生の頃読んだ小説で、今でもなお、 私の心を掴んで離さない作品。 登場人物にそれぞれクセがあって、 役割があって、ズルズルと引き込まれていく。 決して明るい話ではないのだけれ…